養浩館庭園とは福井藩主の別邸として建てられた「回遊式林泉庭園」であり、国の名勝に指定されている庭園です。
福井城の5重のめぐらされた水堀の外にありその豊富な水を最大限に活かした庭園と数寄屋造りの建造物は、庭園・建築どちらからも学術的評価が高い評価を受けています。
米国の専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデン』による日本庭園ランキングでは毎回上位に選ばれるほどであり、まさに「世界に認められた庭園」といえます。
今回はそんな養浩館庭園を紹介します。
歴史
養浩館庭園とは福井藩主の別邸として建てられた「回遊式林泉庭園」です。
福井城の本丸から北東に400mほど離れた場所にある養浩館庭園は福井城の外堀の土居に隣接しており、かつては福井藩主 越前松平家の別邸でした。
▼藩主の居城 福井城の詳細はこちらから
成立時期について詳細なことはわかっていませんが、福井藩主3代 忠昌に藩邸となり、それ以降、歴代藩主の饗宴の場、おもてなしの場として使用されてきました。
明治維新前まで養浩館庭園は「御泉水屋敷」と呼ばれていましたが、明治維新後の1884年に松平春嶽により『養浩館』と命名されました。


養浩館庭園の読み方は「ようこうかんていえん」であり、孟子の『浩然(こうぜん)の気を養う』に由来するといわれています。
『浩然の気を養う』とは、「人に元来そなわる活力の源となる気」転じて「大らかな心持ち」を育てることを意味です。
1972年、「良く旧態を残した優秀な庭園である」として国の名勝に指定されます。
養浩館庭園を散策
養浩館庭園には2つの入り口がありますが、福井市立郷土歴史博物館の見学や福井城の復元遺構「舎人門」の見学を考えると、西門から入ることをお勧めします。


屋敷
西の門をまっすぐ進むと反対の東の門に到着します。
そこを右手に曲がると見えてくるのが屋敷です。江戸時代に御泉水屋敷と呼ばれていた場所です。
中に入って右手に見えるのは御廊下と奥が御湯殿です。
生活空間として使用されており、藩主にとってはくつろぎの場であったと想像されます。



入口からまっすぐ進んだ場所がおもてなしの場となります。


庭園
屋敷から出て庭園方面へ。
すぐに出てくるのが養浩館庭園一番の撮影スポット!全体を撮影できます。
ここから見える飛び石と池の景色は趣がありますね。
養浩館庭園の飛び石は福井県内で採れた安島石が使用されています。

庭園を順路に沿って歩くと苔に覆われた「蹲踞(つくばい)」が出てきます。
その先に進むと屋敷の御湯殿から見えた「清廉(せいれん)」にたどり着きます。
江戸時代には藩主がここで一服していたようです。


庭園をゆっくり歩いていきます。心が癒されます。
▼石灯籠越しの庭園

▼庭園の小道

そして最後に景石越しの庭園。
ここが養浩館庭園一番の絶景スポットといわれています。
屋敷、池、庭園すべてが調和した良い景色です。

所要時間
所要時間はゆっくり回っても30分程度です。
養浩館庭園のアクセス・基本情報
▼アクセス
【車】
専用の駐車場はありません。
近くのコインパーキングを利用する必要があります。
(ちなみに私は「三井のリパーク 福井県庁北駐車場」に停めました。)
【電車】
福井駅から徒歩15分。
▼基本情報
住所 | 福井県福井市宝永3-11-36 |
営業時間 | 9:00~19:00(ただし11月~2月は17:00閉園) ※入園は閉園時間の30分前 |
入場料 | 220円 |
おわりに
養浩館庭園は福井城からは徒歩5分の距離にあります。
福井城の観光の際には養浩館庭園も合わせて見学されてはいかがでしょうか。
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