新潟県新発田市の観光地 清水園を散策

観光地

新潟県新発田市にある清水園。

清水園とその周辺の建物は実におもしろい。

というのも、藩主が使用していた清水園の対面、新発田川を挟んだ向かいには下級武士の住居 足軽長屋、

さらに清水園の駐車場横には中級武士の武家屋敷と、狭い範囲で江戸時代のヒエラルキーを住居で表現している。

しかも清水園と足軽長屋は当時からその状態であったというから、なかなか酷な見せ物である。

今回はその中でまずは国指定名勝である清水園を紹介していく。

概要

清水園は新発田藩主 溝口家の下屋敷で池泉回遊式の日本庭園です。

中央に草書体の「水」の字を描いた池泉とその周囲を囲む近江百景を取り入れた京風の庭園です。

周囲には5つの茶室があります。

清水谷と呼ばれていた場所に造営されたことから、当時は『清水谷御殿』と呼ばれていました。

回遊式庭園とは

日本庭園の様式の1つで、園内を歩いてめぐりながら鑑賞する庭園のこと。

清水園内にある書院 清水谷御殿を建てたのは、3代宣直の時代(1666年)です。

彼はその数年前に、初代藩主 秀勝の時代から54年続いた新発田城を完成させた人物でもあります。

とても精力的ですね。

庭園ができたのは4代 重雄の時代で、彼は江戸幕府の茶道方 縣宗知(あがたそうち)を招き築庭を行いました。

明治維新後、溝口家の管理からはずれた清水谷御殿は荒廃が進んでいましたが、やがて豪農 伊藤家の所有となります。

その後、昭和年代に京都の世界遺産 銀閣寺の庭匠であった「田中泰阿弥(たいあみ)」により修復され、現在に見る『清水園』となりました。

現在は同市内の「五十公野御茶屋庭園」と合わせて国指定名勝となっています。

清水園を歩く

ここからは清水園の園内を紹介してきます。

清水園入口

清水園入口から入り受付を行います。

大門をくぐります。

元は藩知政門として使用されていました。

入園料

※2025年5月時点

書院

3代 宣直の時代に建てられた建物(清水谷御殿)。

質素な装いは幕府に対する政治的配慮がなされたのだとか。

書院内部①

書院内部②

書院から見た庭園

茶室

順路順に「桐庵」「夕佳亭」「同仁齊」「翠濤庵」「松月亭」の5つがあります。

普段はすべて閉鎖されています。茶会などのイベント時は開放されます。

※写真は桐庵。

庭園

回遊式の日本庭園。池泉は草書体の「水」の文字をあしらっています。

蔵の資料館

「新発田藩史料館」「堀部安兵衛伝承館」「清水谷蔵所資料館」の3つの資料館の総称。

明治期に江戸時代の酒蔵を移築し一万俵を収納できる米倉として使用していたとのこと。

新発田城に行く前にこちらに寄っておくと理解が深まります。(特に新発田藩史料館)

武家屋敷 石黒家

新発田城三ノ丸近くにあった、新発田藩の有力家臣 石黒家の武家屋敷。

江戸後期の標準的な武家屋敷であり、当時の生活を感じる貴重な遺構です。

新発田市指定文化財に指定されています。

ちなみに石黒家は駐車場付近にあり、入館料は無料です。

石黒家内観

石黒家の外にある家老門(駐車場の横)は現在新発田城で復元計画が立っている「土橋門」と同形式の門であり、復元に際する貴重な遺構です。

清水園へのアクセス・基本情報

▼アクセス

【車】

清水園駐車場(無料)へ駐車。

駐車可能台数:15台程度。

※清水園までは徒歩1分未満です。

住所:新潟県新発田市大栄町7-9-29

【電車】

JR新発田駅より徒歩約7分

▼基本情報

住所新潟県新発田市大栄町7-9-32
営業時間3月~10月 9:00~17:00
11月~2月 9:00~16:30
休園日(2024.4.1改訂情報)・4月~5月/10月~11月 無休
・6月~9月/12月~3月  毎週火曜日
 ※祝祭日の場合は翌日休園。
・年末
駐車場あり

清水園の所要時間

30分程度です。

共通券で入ることができる「旧新発田藩足軽長屋」と合わせて観覧すると約40分です。

おわりに

新発田城の前に偶然立ち寄った場所でしたが、天気も幸いして、新発田市の観光の中で一番印象に残っています。

もし新発田市へ観光に行かれる際には、立ち寄ってみてはいかがだったでしょうか?

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