福井城 | 福井の礎を築いた結城秀康の居城を回る

続日本100名城

恐竜が有名な福井県ですが、じつは福井県内には現存天守が存在する『丸岡城』、戦国時代の町並みが復原された『一乗谷朝倉氏館跡』、雲海の『越前大野城』など、優れたお城が多く残る地でもあります。

福井城は徳川家康 次男 結城秀康が治めた地であり、今の福井市の原形を築きました。

今回はそんな福井城の歴史や見どころ、御城印やスタンプの設置場所まで余すところなく紹介していきます。

福井城の歴史

福井城はもともと、織田信長の重臣 柴田勝家が築いた「北ノ庄城」が始まりです。

賤ヶ岳戦いで焼失した後、1601年、関ヶ原の戦いの後に入城した結城秀康が6年の歳月をかけ、天下普請で北ノ庄城を修築・拡張を行い新たな城を築きました。

ここに結城秀康を藩祖とする越前松平家が誕生し、親藩大名として明治維新後の廃藩置県までのおよそ270年間、越前の地を治めていました。

天下普請とは?

江戸幕府が全国の大名に命令し城づくりを行わせたこと。

城づくりにかかる費用はすべて大名に負担させることで、大名の力を削ぐことを目的としていた。

▼結城秀康の像

そのころの城の名前は北ノ庄城でしたが、3代 忠昌の時代に、「北」の文字は「敗北」を連想させるとのことから「福居」となり、のちに「福井」となったといわれています。

ちなみに3代 忠昌の時代から別邸として「御泉水屋敷(現:養浩館)」を使用していました。

▼養浩館庭園についてはこちらから

時は流れて、明治維新後の廃藩置県により城内の建物は取り壊しや売却となり、堀も埋め立てられ、石垣や堀の一部が残るのみとなりました。

2000年代に入り復元整備が進み、2004年に舎人(とねり)門、2008年に御廊下橋、2017年に福の井(井戸)、2018年に山里口御門が復元されました。

2023年からは坤(ひつじさる)櫓・本丸西側土塀の復元計画がスタートしています。

2017年には続日本100名城にも選定されました。

▼現在復元計画が進められている場所(福井県HPより抜粋)

福井城見どころ

福井城の見どころは「天守台・福の井」「山里口御門・御廊下橋」「石垣」「舎人門」です。

順番に見ていきます。

天守台・福の井

福井駅からまっすぐ進み、水堀の上の橋を渡った先が福井城の本丸です。

福井県庁と福井県警察本部の建物の間を進んだ先に天守台があります。

▼天守台

残された絵図によると天守は4層5階の天守で、写真の向かって左側の大天守台の北側に建っていました。

天守台礎石(右:小天守 左:大天守)
大天守台北側の礎石

福井震災の跡

小天守台の石垣には、1948年に発生した福井震災による崩壊の跡が見られます。

自然の力を感じる爪痕です。

▼福の井

福の井は結城秀康が入城した頃にはすでにあったと考えられてる「井戸」です。

「福井」の由来となったとする説がありますが、実際には先述のとおり、3代忠昌が北ノ庄城の北が「敗北」を連想させるからとのことで「福居」に改名、その後の1700年代には「福井」となっていったと考えられています。

山里口御門・御廊下橋

天守台を降りて福井市中央公園方面へ向かうとすぐに見えてくるが「山里口御門」です。

両脇を石垣に挟まれ門の上に櫓を乗せた構造の山里口御門は、福井城本丸の西側を守る門として築城当時から存在しており、普段は武器庫として使用されていました。

現在みられるものは2018年に復元されたもので、内部の見学ができます。(7:00~18:00)

山里口御門 外観
山里口御門 内部

山里口御門をくぐった先に見えてくるものが御廊下橋です。

5代藩主 昌親からは、現在の福井市中央公園にあった西三ノ丸御座所に居住しており、御廊下橋は藩主が御座所と本丸を往来するために使用されていたと考えられています。

山里口御門と御廊下橋の間の桝形
御廊下橋

▼山里口御門と御廊下橋

石垣

福井城の石垣は切り込みハギ・布積みで、石垣の表面には仕上げ(表面の凹凸)が施してあります。

他のお城の石垣との違いを楽しむのもお城めぐりの醍醐味です。

切り込みハギ・布積みとは?

切り込みハギ・・・石同士の接合部分の隙間を減らして接合したもの

布積み・・・同じ大きさの石を目地を合わせて積み上げる積み方

近世城郭の築城技術が習熟したころによくみられる技法

瓦御門跡の石垣(福井県庁正面)
天守台北側の石垣
天守台下の石垣

舎人門

福井城の本丸部分から少し離れた「福井市郷土歴史博物館」のすぐ近くに舎人門があります。

舎人門は福井城北側の外側に面して設置されていた門です。

博物館の建設に先立つ発掘調査により石垣、土居、礎石の遺構が見つかり、調査結果や絵図に基づき高麗門の形式で復元され、現在は屋外展示されています。(無料)

舎人門外観
舎人門遺構
舎人門礎石

最新の復元状況

2023年から本丸西側の土塀と坤櫓の復元計画が進められています。

2029年に完成予定で、復元が完了すると福井駅からもその姿を見ることができるようになるそうです。

詳細は福井県庁HPよりご確認いただけます。

所要時間

所要時間はおよそ60分程度です。

(舎人門の見学含む)

福井城のスタンプ・御城印

スタンプ設置場所

福井城の続日本100名城スタンプは福井城内の福井県庁舎1階の受付で押印が可能です。

土日・祝日の閉庁時は、時間外通用口のインターホンを押して守衛さんに「スタンプを押しに来た」と伝えることで押印が可能です。

御城印販売場所

福井城の御城印は福井市郷土歴史博物館で購入することができます。

▼福井城御城印 ※画像は2025年春Verです

福井城のアクセス・基本情報

▼アクセス

【車】

専用の駐車場はありません。

近くのコインパーキングを利用する必要があります。

(ちなみに私は「三井のリパーク 福井県庁北駐車場」に停めました。)

【電車】

福井駅から徒歩5分。

▼基本情報

住所福井県福井市大手3-17-1
営業時間24時間
入場料無料

おわりに

福井城は福井駅からのアクセスも良く、復元整備も着々と進んでいる今ホットなお城のひとつです。

福井旅行の際には、訪問先のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

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